マーサのブログ

絵を描いたり布作品を作っています

今日は浜口陽三の銅版画を見に行った。銅版画と言っても、カラーメゾチントやドライポイントなど、いくつかの手法がある。「浜口陽三生誕100年記念展」ミュゼヤマサ美術館にて。静かな世界。静けさがひたひたとやってくる。「スイカ」「さくらんぼ」「レモン」「アスパラガス」「毛糸」の作品は、ごくごく身近な物が版画になって、光と影の中から立ち上がってくる感じ。銅版画なので、銅に細かい線をつける。重い線を入れるような道具(ベルソー)を手に持って、左右に何度も揺らして線を刻み、そこに色を入れるが、その色を又ぬぐい去って陰影とする。サクランボがただ並んでいるだけ、丸と線だけで構成された画面が、立体感を持って、それもリズム感も持った物となっている。「かもめのいる風景」は、赤いカモメが並んでいる。海は真っ黒だが、その黒に奥行きがあった。これは油絵で、彼が暮らしたサンフランシスコの風景らしい。黒に赤の画面が、今も眼前に浮かんでくる。画面造り、いわゆるマチエール造りが上手い人だ。
詳しくは下記を見て下さい。アルミ板に描かれた「2人の裸婦」も一本の線が決まり、グリーンと灰緑みたいな画面構成が素敵だった。その彼女の眼は、仏像の眼みたいに思えた。何点か女性の顔があったが、どれも切れ長の菩薩のように思えた。
http://www.yamasa.com/musee/index.html
良い時間を過ごせました。入場券「スイカ」をアップします。