マーサのブログ

絵を描いたり布作品を作っています

カズオ・イシグロの本「日の名残り」を読んでいる。村上春樹が彼を評価していて、気になっていた人だった。読み始めたら、その文章がきれいというのか端正で、ぐんぐん読み進んでしまう。幸田文の文体を少し和らげた感じかも。執事が語る口調なので、幸田文の日本の伝統とつながる何かがある感じがした。折り目正しい言葉を読むのは、深く息を吸い込んだ感じと似ている。慌ただしい春の日々に、こういう本を読むのは、心が静まり、やすらぐものなのだ。良い時に、良い本に出会えて、ほんとにありがたい。彼の「わたしを離さないで」も是非読まねば。
今日はまた冬が戻ったみたいに冷たい。空には満月。さっき見上げたら煌々として樹々を照らしていた。デジカメで撮った、樹々をアップします。何か深い森みたい。光の加減か神秘的でしょ?