マーサのブログ

絵を描いたり布作品を作っています

先日から夏目漱石の「行人」を読んでいる。「こころ」を読み、心がシーンとするというか、自分の中に静かな時間が訪れた気がしたので、その世界をまた、と一冊買ってしまった。その「行人」の中に、「御納戸色」が出てきてびっくり。お貞の結婚の場面に、彼女の着物の色として描かれている。ちょっと地味と書かれ、その色を彷彿とした。先日「日本の色」で調べたばかりに、こういう一文に出くわし、何とまあ!という気持ちだ。夏目漱石の文章はひとつひとつが短くて、難しい言葉もないのに、全体にしっとりした世界が描かれている。文学とはこういうものだ、みたいな自分の中に余裕の様な物が作られる気がする。東野圭吾も面白いが、漱石というしっかりした樹があってこそ枝が育っているように感じた。ピカソも然り。彼の存在が、今の新しいデザインのキーであると思う。でもピカソの「ギター」の色は、「ゴイサギ」達が持っている色なんですね。
ゴイサギの近くにあった樹「イイキリ」の写真をアップします。