マーサのブログ

絵を描いたり布作品を作っています

周りの風景が違って見えることがある。何か懐かしい物に触れたような気がして、包まれているような感じを受ける時があって、それは大体自分がマイナス、弱気みたいな時である気がする。同じ物に触れても、過敏に反応してしまうという時のことを、疲れていると名付けるのだろうか。頭の中で、何かがグラリと揺れ、背中から何かがスッと抜けていく時がある。先日の余波のせいか、ちょっとこういう気持ちになる最近です。そんな時、たまたま読んだ「人類と建築の歴史」藤森照信著に、この原因を解明する文章に出会った。「懐かしい〜というのは、人間だけが持つ感覚で、それは人が一つの家で生まれ、死ぬことが可能になったことから生まれた感覚だろう。喜怒哀楽とは違う、昔のものが変わらずにあるシーンに出会った時に、この感情が湧いてくる。今の自分が昔の自分と同じことを、昔の自分が今の自分まで続いていることを、確認する。自分はずっと自分である。人間は自分というものの時間的な連続性を、建物や集落の光景で無意識のうちに確認しているのではないか。新石器時代の安定した家の出現は、人間の自己確認作業を強化する働きをした。このことが家というものの一番大事な役割なのかもしれない。」という文章。狩りから農耕へ。遊牧から定着へということが、こういう変化ももたらしたとは。帰るべき場所、ふるさと拠り所ということを考える文章でした。
近所の白い椿が、あまりにきれいなので写しました。夏の椿のことを「沙羅の木」と呼ぶらしい。アップします。
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