マーサのブログ

絵を描いたり布作品を作っています

先日来「白夜行」「手紙」「悪意」など、東野圭吾の本ばかり読んでいた。それで一層肩が凝るのかと思うが、やめられない。でも、体調は段々回復して、この夏の蒸す様な毎日に馴染んできたようだ。麻婆豆腐とショウガのお陰かも。彼の文章自体はさほど上手いとは思わないけど、ストーリーが何と言っても面白く、重く、次が心配で心配でやめられない。舞台は大阪や練馬で、おまけに天王寺や石神井公園などが出てくるので、人ごととは思えず、想像がかきたてられた。読後は重い物をひきずるような感じで、ふと、「浄玻璃の鏡」という仏教の言葉を思い出した。辞書の解説では、「仏語。地獄の閻魔(えんま)の庁にあって、死者の生前の善悪の行為を映し出すという鏡。転じて、鋭い眼識。」と書いてある。そこまで詳しくは知らなかったが、行為を映し出す鏡というものがあるような気がした。自分の今いる場所も、紙一重でどうにでも転がる気がして、それを危うく支えている日常ということを考えてしまった。ちょっと立ち位置が変われば、見方も全く変わるだろうと思う。
暑いので、雪の日に撮った写真をアップします。カモが泳いでいる石神井公園です。